85日目：天下をとりたい

週末に、「おっとりちゃんの趾の爪、両脚とも剥がれてるね」と気づいた夫。確かに血だらけだったのは左脚だったが、右脚の同じ趾の爪も剥がれて黒くなっている。同じ場所で左右に気づいていなかったけれど、写真で確認すると前回の日記の時点ですでに剥がれていたもよう。流血した時点では右脚の爪はまだあったようだから、いつ剥がれたのだろうか。あれからまた血を見た覚えはないので、右脚のほうは生理的に取れてしまったのか。不思議。しかしそれもあってバランスがよくなったのか、おっとりちゃんはすっかり元気を取り戻し、鷹揚な力強ささえ感じられる。今朝は水を入れていた陶器のお皿が厚く凍ってパキンと割れるほどの冷え込みだったが、鶏舎に行くと私の頭に真っ先に乗ってきたおてんばっ子。おっとりちゃんもすぐに乗ってきて、滑るフードの上で押し合いへし合いしている。２羽ともぷるぷると立ち回っているのが頭から伝わってくる。やがてバランスを崩したおてんばっ子がバサッと地面に舞い降りた。とまり木から見上げる目玉に爪に悔しさが滲む。一方頭上のおっとりちゃんは、しばらく立ったまま動かない。のびのびしている姿はなんだか牛みたいだった。